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ぐうの日常

香港映画俳優トニー・レオン梁朝偉を地味に応援する管理人ぐうの、日常のつぶやきです。  画像の無断転載は禁止です。

「海上花」とトークショーと「HHH侯孝賢」 

 

シネマヴェーラ渋谷で行われている「侯孝賢映画祭」。10月14日(土)は「フラワーズ・オブ・シャンハイ」(カンヌ映画祭上映バージョン)上映とトークショーが行われるということで参加してきました。
シネマヴェーラ「侯孝賢祭」


会場で販売されている、「百年の恋歌 侯孝賢」(発行所:プレノンアッシュ)も購入しました。
百年の恋歌 侯孝賢


侯孝賢インタビューから始まり、侯孝賢映画について読み解く内容となっており野崎歓先生の対談・寄稿文も載っています。ファンにとっては魅力的な内容です。

さて「フラワーズ・オブ・シャンハイ」ですが、去年日仏学院で観たのは何だったんだろうと思うくらい鮮明な映像でした。
暗くてわかりにくいと思われていた部屋の内部も、トニーの表情もくっきりと読み取れました。衣擦れの音が聞こえてきそうなくらい絹の肌触りが感じられそうなくらい、食事の匂いや香水の香りまで漂ってきそうなくらいリアルに見えたのです。
劇場は立ち見も出ていました。

あとで帰りに一緒に行った友人に「何でだろうね」と話したら、
「カンヌ映画祭の後、監督が保管していて、その後フィルムセンターに寄贈されたとのことなので、ほとんど上映されてないフィルムだからじゃない?フィルムが新しいから」
ええーそんなに違うものなのか・・確かに古い映画は画像が擦り切れた感じがするけど。

お陰で映画の内容も前回より理解することができました。とは言っても途中二回くらい、うとうととしてしまい・・。
前回初回でも寝ていたところがあるので、結局どのシーンが日本公開版にないシーンかは判別できませんでした。(爆)
前回観たときは閉鎖された部屋の中、娼館の圧迫感が伝わってきたのですが、今回はいやこれは娼婦に恋をする男性(高級官僚)の方が閉じ込められているのではないかと思えました。
「自由な恋」とは名ばかりのこと。娼婦の方は「外へ連れ出ししてくれる人を捕まえる」という目的がある。男性は、その打算ゆえ、娼婦が本当に自分を愛してくれているのか確信が持てない。

男性(トニー)が、愛している娼婦と役者との浮気現場を目撃してしまい、あてつけに他の娼婦を見受けするが、彼女にも浮気をされてしまう。
(最初に別れた娼婦が浮気相手と楽しそうに過ごしているシーンで映画が終わる)

「一緒になれないなら死んで」と阿片を飲ませようとした別の娼婦は「他の嫁ぎ先を見つけてあげる」と言われ、あっさり承諾する。

女性の方がしたたかなのだ。

<その後の羽田美智子さん、市川尚三さん、宇田川幸洋さんのトークイベントおおまかな内容>
(市川さんと宇田川さんの区別がつかずに聞いておりましたので「羽田」の表示がないのはどちからかの方の発言です。←いいかげん・・。しかも宇田川さんは東京国際映画祭アジアの風部門の審査員をされるとのこと、そんな偉い方だとは知らず聞いておりました、失礼をお許しください)

羽田:カンヌ映画祭の時は椅子がバタバタ音を立てて、映画の途中で帰ってしまうお客さんが多かった。ホウ監督は「こんなものだよ、前の映画の方がもっと帰っていった」と言う感じだった。映画祭で初めて映画を観て、監督はこういうことがやりたかったんだ、とわかった。
日本の映画やドラマはとにかく一発OKを出さねば、というプレッシャーがあった。フィルムは高いし。
ホウ監督は何度も何度もフィルムを廻して撮り直した。通訳の方に言われたのは「ホウ監督の場合は何も考えずに遊びに来てください」と言うこと。
毎日、その日何をするのかわからず現場に行っていた。役作りについての説明はなかった。衣装を着けて「遊んでいて」と言われて、そうしているといつの間にかカメラが廻っていた。

ー最初は全部上海語の設定だったが、トニーから、途中から泣きが入り(笑)急遽設定を変えてトニーは広東省から来た役人と言う事にした。羽田さんとトニーの会話は広東語。羽田さんは広東語が出来る娼婦ということに。トニーは他の人物との台詞だけ上海語をマスターすればいいことになった。

ーその辺の監督の柔軟性は凄い。台詞に振り回されて演技に集中できなくなるよりいいと考えたのだろう。

ー現場に着いたら、今日は羽田さんのシーンはなくなりました、と言うこともあった。

羽田:演技では本物のお酒を使ってました。お酒の飲みすぎで(毎日飲んでいるので)向こうで入院してしまったほど。

ートニーはお酒、強いんですよね。

羽田:お酒を飲むと「駄目なトニー」になるんです。カリーナ・ラウに「私はあんたのママじゃないのよ」と叱られていました。

ートニー以外の俳優は上海語ができるんですよね、トニー一人が困っていた。

ーシュアン・ユウ(阿片で心中をはかる娼婦役)はもともと助監督だったんですよね。出番がない時は普段通り助監督の仕事をしていた。俳優を呼びに来たり、お弁当を配ったり。トニー・チャンは最後に出てきた役者さんですね。

ードラマチックな起承転結を排除している。ホウ監督の「大変なことがあったときは大変な顔をしない」と言う生き様そのもの。

羽田:私も泣き叫んだりするシーンも撮ったのですが、全然それは使われなかった。感情的な表現は好きじゃないんでしょうね。

ー「フラワーズ・オブ・シャンハイ」は原作があるんですよね。

ーその小説は無茶苦茶長い。図書館で読めます。その話の中で三人の娼婦を取り上げている。張愛玲が翻訳。(上海語→普通語)

羽田:オーディションの時、面接なんですけど、前の仕事で凄い厚化粧だったので顔を洗ってお化粧を落としたところで呼ばれてしまった。すっぴんで監督に会っちゃった。

ー監督は作り上げて来ていると駄目なんです。すっぴんで良かったと思う。

羽田:面接で星座を聞かれたり、お父さんの職業や家族構成を聞かれた。

ーそういう話をしている時の反応を見ているんでしょうね。

ー私が観たらトニーの演技は完璧だと思ったが「トニーは昔に比べて芝居癖がついた」と監督はブツブツ文句を言っていた。

ー役者の動きを見ながらカメラを動かすのでカメラマンは大変だと思う。

羽田:「百年恋歌」で、「フラワーズ・オブ・シャンハイ」と同じ衣装がありました。

ー使いまわしているでしょうね。

羽田:1月頭から4月頭まで撮っていました。旧正月に監督からお年玉をもらいました。「私の映画に出る人、みんな私の子供」と言われて。トニーももらっていた。

ー私にはくれなかった。(笑)映画出てないから。お年玉って独身の人がもらえるんですよね。あれ、トニーももらってるんですね。監督は俳優を選ぶとき「存在が楽な人がOK」と言う感じがする。熱演を嫌う。アカデミックな監督。作品に参加していても、出演していないこともある。有名な映画監督の息子さんもわざわざ呼んで出たが出演していない。ミシェル・リーのもう一人の愛人役なんだけど。演技がどうと言うのではなくてたぶんお話から必要がなくなってカットしたのでしょう。

羽田:「大丈夫ですよ、もし駄目だったらカットすればいいから」(笑)と監督に言われて。あっ私出てないと言う場合もあるんだと思いました。

<映画「HHH侯孝賢」>(1997年)

侯孝賢監督にインタビューしながら、映画にゆかりのある台湾のあちこち(監督の故郷や九份など)を廻るというドキュメンタリーのようなロードムービーのような映画。監督はフランスのオリヴィエ・アサイヤス。

映画の中では50歳の監督。とにかく監督のなんと愛らしいこと。故郷に帰って「貴方、誰?」と言う感じで問われて「アハ」(子供の頃の監督の呼び名。お祖母ちゃんが呼んでいたからそうなったらしい)と言うと、初老の男性がたちまち相好を崩し「アハか!!」と叫び抱きつくシーンから、観客は監督のとりこになる。

子供の頃、お祖母ちゃんは中国に帰りたがっていた。荷物をまとめ、子供の監督の手を引いて帰ろうとしていた。「きっと中国に歩いて帰れると思っていたんでしょう」と思い出したように目尻の涙をぬぐっていた。当時台湾で暮らす中国人の気持ちは皆そうだったのだろう。

若者の頃、「毎日博打を打っていた」「家族には見放されていた」
そんな時兵役の知らせが来て「今までの自分の人生を変えられると思った」「質に預けていた一切のものをそのまま流した」「兵役に行っている間、帰ってきたら映画を撮ろうと思っていた」。

「悲情城市は物凄くヒットした」
これまで2・28事件で弾圧された人達の遺族は事件について固く口を閉ざして決して語ることがなかった。それがこの映画が公開されることになって社会が変わった。
「当局は案の定、検閲で二箇所カットを要求してきた」しかし、報道に押されて、その要求を取り下げざるを得なかったのだそうだ。
「それでも、南部で公開された時は申し合わせたかのようにカットされたシーンがあった」とのこと。
まさに台湾の歴史の流れを変えた映画だったのだ。監督がこの映画で表現したかったのは「台湾の誇り」だとのこと。

監督のファン必見の映画です。
(でたらめな日本語で「乾杯」の歌をカラオケで歌うホウ監督はメチャメチャ可愛いです)

category: 映画

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コメント

 

台湾旅行の詳細なレポートに続き
『フラワーズ・オブ・シャンハイ』のレポまで!
とても楽しく読ませていただきました。
日仏会館で見たものと今回上映されたものと、
そんなに画面の様子が違うのですか!?
私も日仏会館でかなり睡魔と闘ったので
もう見なくていいかな、と思っていたのですが、
今回のぐうさんのレポートを読んだら
見にいきたくなってしまいました。

それにしても、トニーにお年玉を上げる監督。ふふふ。
なんだかそのシーンが目に浮かぶようです。

pekky #CqhyQCTQ | URL | 2006/10/17 18:23 | edit

pekkyさん、ありがとう。

こんな長文、書いた本人以外読まないよー、と思いながら書いてました。良かった、読んで下さる方がいて。

>そんなに画面の様子が違うのですか!?

そうなんです。日仏会館では「トニーの顔がよく見えないよ」とぼやきながら観ていたのですが、今回はくっきりはっきり見えました。
折角フィルムセンターから取り寄せたのだから名古屋や関西、九州、北海道でも上映してほしいな。他の作品も。
こんな美しい映像なのにカンヌで途中で席を立つ人って一体・・と思いました。

>それにしても、トニーにお年玉を上げる監督。

微笑ましい光景ですね。いいなぁ。

ぐう #XjZxsWQw | URL | 2006/10/18 00:28 | edit

ホウ監督や羽田さんの姿が眼前に浮かぶような臨場感あふれるレポ、堪能しました!
「海上花」VCDでしか観たことないの・・・ほとんど何もわからずじまいです。
いまだ美しい秘蔵フィルム、大阪にもきてえ!!
余談ですが羽田さんは、お昼の生放送紀行番組にたまに出演なさってますよ。「ああ、この人がトニーと共演したのね」と羨望のまなざしで見てしまいます(笑)

かしこ #TBb5cWT2 | URL | 2006/10/20 23:12 | edit

かしこさん、ありがとう。

>いまだ美しい秘蔵フィルム、大阪にもきてえ!!

是非関西でも上映されますように!折角お借りしているんだからすぐに返すのはもったいない!
あと、ホウ監督のなかなか上映が観られない他の映画も是非上映を!
(「海上花」、VCDというと香港版か台湾版でしょうか。日本語字幕でもよく考えないとわからない映画なので(汗)是非スクリーンで観られますよう。)

羽田さん、旅紀行番組にたまに出演されているのですか!私も羨望のまなざしでトークショーを聞いていました。
「私も駄目なトニーを見たかった」とか映画のシーンのように「私もトニーに後ろからごめんよ、と背中や腕をさすってもらいたい」とか。(笑)

ぐう #ex3yOCrA | URL | 2006/10/21 01:28 | edit

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