ぐうの日常

香港映画俳優トニー・レオン梁朝偉を地味に応援する管理人ぐうの、日常のつぶやきです。  画像の無断転載は禁止です。

「めぐり逢わせのお弁当」観ました 

 

9月27日(土)、川崎アートセンターにてインド映画「めぐり逢わせのお弁当」を観てきました。

「めぐり逢わせのお弁当」

最近上映された「マダム・イン・ニューヨーク」と比べると、陽気ではないし、心がスカッとする終わり方ではないのであまり好みではない方もいらっしゃるかもしれませんが、「マダム・イン・ニューヨーク」ももちろん凄く良いのですが、私はこちらの方が更に好きです。
インド映画といっても歌もない、踊りもない。音楽と言えば、ラジオから聞こえてくる音楽、列車の中で子供たちが歌う声、カセットテープからの歌声。これはインドの人たちの日常、等身大のお話なのだと思います。だからか、街の中の雑踏や人々の話し声、車の音、食器がぶつかる音など自然に発生した音が映画のBGMとなっています。

(今回の感想は結構ネタばれしていますので、以下、未見の方は読まない方がいいかもです)


お話の主人公イラは家庭の主婦。夫と小さな娘の三人暮らし。家庭に関心を持たなくなった夫の心を取り戻そうとして、お昼のお弁当に工夫を凝らし美味しいものを作り上げるものの、インドの優秀なお弁当配達システム(このお弁当配達システムが映画の中の一つの見どころとなっています)に何故か間違いが起こり、イラのお弁当は別の見知らぬサラリーマン男性のデスクへ届きます。

そこでお弁当配達業者に間違いを訴えて正せばお話は終わってしまうのですが、上階のお料理上手のおばさんのアドバイス(「お礼も言わない奴に美味しいと言わせないと」)の流れから、お弁当はしばらく早期退職を控えた見知らぬサラリーマン、サージャンの元へ届くことになります。

サラリーマンのサージャンは早くに妻を亡くしやもめ暮らし、自分の仕事の後継者となる青年シャイクが仕事の打ち合わせ時間が来ているのにもかかわらず、他の社員とお喋りを続けているのを見て、こっそり帰ってしまうという気難しい性格の男性。

イラとサージャンはお弁当と、お弁当に潜ませた手紙をやり取りするうちにお互いに気持ちを通じ合わせるようになります。
二人で一度会おうということになるのですが、会うことがなく、サージャンはイラを諦め、会社を早期退職してしまうのです。

物語の最後は途中で終わり、二人がその後どうなったのかは観ている人たちの想像に委ねる形となっています。
(キアロスタミ方式ですね)
映画の中に、「人は間違えた列車に乗っても、正しい目的地に着くことができる」という言葉が出てきます。
「正しい目的地」とは何でしょう?それは人によって解釈が異なるかもしれません。

冷えた夫婦関係でも娘の為に結婚生活を続けるのか。
またはサージャンという出会いを機に人生をやり直すのか。

映画の中に織り込まれた監督からのメッセージを読み取ると、私は、監督はイラとサージャンにエールを送っていると思えるのです。
それは、映画の中で、病気でずっと入院中だったイラの父親が亡くなるシーンがあるのです。すぐに駆けつけたイラに、母親は唐突に、新婚時代楽しかったこと、貴方(イラ)が生まれて幸せだったこと、だけどだんだん愛情がなくなって夫を看病するのが重荷だったことーなどを語り始めます。
イラは母親の様子に戸惑いつつも、たぶん、目の前の母親の中に数十年後の自分の姿を見たのだと思うのです。夫の心を取り戻そうとあがいていたけれども、自分も夫をもう愛していなかったということに気付いたのだと思うのです。

夫を同じように看病するのなら、上の階のおばさんのように、愛する人、大事な人と感じながら日々笑顔で看病したいと。(実際は上階のおばさんは映画の中で一度も顔が出てこないので笑顔なのかどうかは不明なのですが、きっと笑顔でしょう)

女性が一旦そう決断したら行動は早いもので、イラはその日のうちに新しく生活をやり直そうと自分の貴金属を全部売ってお金に代えてしまいます。
片や、お弁当配達人にイラの家の住所を聞き、イラの家を目指すサージャン。

二人がもし結ばれるとしたら、現実には多くの困難があるでしょう。サージャンは自由の身ですが年を取ってるし、イラは他の人の妻である訳ですし。
ただ、サージャンの仕事の引継ぎを受けた若者シャイクは、大事な書類の上で野菜を切ったり、経歴を偽って就職して仕事は実際ミスだらけだったり、空気を読まなかったり、とめちゃくちゃな青年なのですが、一つだけ貫き通したことがあるのです。
それは愛する女性を決して諦めず、守り、困難を乗り越えて結婚したこと。

この先の二人に、シャイクはきっといろんな手助けをしてくれるのだろうと思うのです、あの花だらけのスクーターに乗って。

それにしても、満員電車に揺られたり、仕事でストレスを抱えたり、孤独を感じたりと、インド人は日本人とそんなに変わらないのだと、この映画でショックを受けました。インドの人達はどこか皆悟りを開いていて、そんな些末な感情は持たないのだと思っていたのですが。もしくはひたすらマイペースとか。
よく日本人が「インドに行って人生観が変わった」とか「インドは呼ばれてから行くもの」と言いますが、実はインドの人達も、「人生に行き詰ったら行きたいところ」があるのだそうです。それは国民の幸福度が高いと言われているブータンらしいのです。

でも、きっとブータンの人も、「人生に行き詰ったら行きたいところ」があったりするのでしょうね。


あと、中華NEWSより。
9月27日の夜、大陸で開催された「第23屆金雞百花電影節暨第32屆大眾電影百花獎」で、「グランド・マスター/一代宗師」が最佳女主角、最佳影片を受賞しました。

ウォン・カーウァイ&チャン・ツィイー

最佳男主角は「中國合伙人」のホアン・シャオミンが受賞しました。
トニーさんは今回も最佳男主角の受賞を逃しました。
それを見越していたのでしょうね、トニーさんは百花獎に出席しなかったみたいです。「グランド・マスター」は完全に最佳男主角から見放されていますね。
自分だけ賞を獲ってニヤついているウォン・カーウァイめ~。トニーファンが枕元に怨んで出てやる~。

http://hk.on.cc/hk/bkn/cnt/entertainment/20140928/bkn-20140928123733156-0928_00862_001.html

「一代宗師」3D版宣伝

「グランド・マスター/一代宗師 3D版」10月23日公開との発表もあったみたいです。
中国大陸だけかな・・・?香港や台湾での上映はどうなってるのかな?

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