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ぐうの日常

香港映画俳優トニー・レオン梁朝偉を地味に応援する管理人ぐうの、日常のつぶやきです。  画像の無断転載は禁止です。

貴方のお父さんは・・・。「胡同のひまわり」 

 

7月22日(土)「胡同のひまわり」http://www.himawari-movie.com/を観てきました。11:20の回を観たのですが、なんと満席!でした。
映画が終わってロビーに出るころは、次の2:00の回は一杯、その時点で来たお客さんは「4:40の回でないと席がありません」と言われていたそうです。
「胡同のひまわり」


ところで貴方のお父さんはどんな方ですか?(どんな方でしたか?)
映画を観終わった後、そんな事を話したくなる映画でした。
映画にいらした年配の方は幼い男の子に孫を、若い青年に息子を重ね合わせていたかもしれません。

私の父は地方公務員でした。お中元やお歳暮が来ると「受け取れませんから」と電話して送り主に返送していました。先方は「皆さん受け取ってくださいますよ・・」と言っていたそうです。
そんな生真面目なところが映画のお父さんと重なりました。

仕事でも上司にすぐ噛み付いたり文句を言ったりしていた変人タイプだったので(本人は職場の意見を代表しているつもりだったのかもしれませんが)定年退職後、嘱託の話は来ず、しばらくアルバイトをした後今は親戚の畑を借りて野菜を栽培して農協に出荷しています。
2年前「信用取引」で失敗し(私は騙されたのではと思ってます)退職金を全て失い、借金まで背負いました。(私は精神的に参りましたが、父は元気に農作業を続けています。その時私の夫が私の母に経済的に援助したのですが父のプライドが傷つくので内緒です)

父のすぐ怒鳴ったり、日々の細かいところまで口を出すところが凄く嫌でした。
(私の結婚式の日まで怒鳴ってました)
今でも父は苦手ですが、私は母より「愛情」を、父より「社会」を教えてもらったと思います。

映画に関係のない自分の父の話を長々としてしまいました。(笑)

以下、映画の感想。ネタばれあり。
中庭にひまわり(向陽花)が咲いている時に生まれたから「向陽(シアンヤン)」と名づけられた息子と、その父の物語。

父は画家だったが文化大革命の下放政策で農村に送られ強制労働をさせられた。その時に暴力をふるわれ右手をつぶされ、画家として絵を描けなくなってしまった。
映画「中国の小さなお針子」では主人公が同じ下放政策で農村に送られるものの、それほどの悲惨さは感じなかったが、実際の強制労働ではかなりの過酷な状況もあったのだろう・・・。

文化大革命が終わり、父が家に戻ってきたのはシアンヤンは9歳、わんぱくざかりの時。父の記憶がなく、最初は「お父さん」と呼ぶこともできない。
このお父さんを演じているのはスン・ハイインという俳優さんだが背が高く体が大きい。前に立つとかなりの圧迫感がある。

自分が絵が描けなくなった父は、絵の才能がある息子に技術を身につけさせようと、子供同士の遊びを禁じ、家で絵を描かせることに。
絵を描かせること自体はいいのだが、町中の人々が集まっての野外映画上映会に行かせず「絵を描き終わるまで」と外出を禁じる。この時のシアンヤンはとても可哀想だった。
大体こういう時は子供は上の空で、何をやらせても駄目。他の子は皆観に行っているのに自分だけ行けないのがどんなに辛いことか。
時には甘やかすことも必要だと思うのに・・。
(親はそう思ってか、うちの実家は貧乏だったがこういうイベントや夏休みの映画や果ては行商の人が売りに来たお菓子代は必ず出してくれた)

このお父さんは自分が憎まれ役に徹して、とにかく息子のためを思って厳しくする不器用な人間なのだ。

シアンヤンが反発して家出した夜唐山大地震が起こり、シアンヤンは無事助けられる。
余震が続くため避難生活をするうちに父の愛情に触れ、「お父さん」と呼べるようになるシアンヤンだった。

思春期になってからも父の厳しい干渉は続き、息子の為に高い学費を払って絵画の学校に通わせるがシアンヤンは反発して学校をさぼって物売りをしたり、女の子とつきあったり、両親に内緒で広州に旅立とうとする。結局、父に見つかり連れ戻されるのだが・・。
もし、お父さんの手が駄目になってなくてどんどん絵を描いている姿を息子に見せられたらどうだったろう?息子は強制されることなく父を尊敬し自分から進んで絵を描き出したかもしれない。

その頃、胡同はアパートブーム、母はトイレもお風呂もない古い家よりも近代的なアパートに住みたくて(アパートは毎回抽選があり、決まった人達にしか割り当てがない)賄賂を父に持って行かせようとするのだが、父はそういうことを良しとしない。
昔の友人が当たったアパートを譲ってくれたのだが「そこまでして住みたいと思わない」と申し出を断る。
母は怒って「長年連れ添ったけど安らげない。あなたと結婚したのが運の尽きだった!」と父を怒鳴りつける。
ここはかなりシリアスなシーンだと思ったのだが、意外なことに映画を観に来ている初老のご婦人達は笑い声をあげていた。
・・・こういう喧嘩もあっての夫婦の歴史なんだなぁ・・。
それで思い出したのだが「ジャスミンの花開く」で最後にチャン・ツィイーが引越ししていたのはこういう政府から割り当てられるアパートだったのだろうか。
(広くて洋風の部屋割り、トイレ、お風呂もあり、アパートというより日本で言う高層マンションの様相だ)

その後シアンヤンが付き合っていた女性から来た手紙を無断で読んだ父は、彼女がシアンヤンの子を妊娠している事を知り、息子には内緒で中絶手術を受けさせる。そのシーンには内心ぞっとした。
いくらお互い若すぎるとは言え、中絶は母体を傷つけるもの。親は子供の為にそこまで鬼になれるものなのか・・。

シアンヤンはあとで事実を知り、傷つきながらも親を捨てることができない。
その後他の女性と結婚するが、父への反発の為、子供を持つことができないでいた。

映画では最後の方、絵の展覧会が開催され、「シアンヤンの絵」が映し出されるが、素晴らしい絵だったのでこれは映画の為に作成されたものではなく、画家の作品を借りたのだろうと気になってパンフレットを見たら「ジャン・シャオガン」という画家のものだとのことでした。
映画のテーマにも合っていると思う。

そして何よりシアンヤン役の男の子の演技の素晴らしいこと!
シアンヤンは9歳・19歳・32歳と三人が演じているのですが、お互いに顔が似ていて本人が本当に成長したのでは、と思うくらいでした。
19歳の朴訥な青年が32歳になった瞬間はちょっと洗練された雰囲気になってますが、一瞬19歳の彼が「老けメイク」をしているのかと見間違うほどでした。
三人ともせつない「泣きシーン」の上手いこと。

父役のスン・ハイインも、母役のジョアン・チェン(彼女は「ジャスミンの花開く」でもツィイーのお母さん・お祖母さん役を演じています)も素晴らしかったです。
シアンヤンの赤ちゃんが生まれる出産シーンがあるのですが、実際に赤ちゃんが産まれているところを撮影しており、監督のこの映画にかける意気込みを感じました。

親とは愛ゆえに間違うもの。愛ゆえにその間違いはいずれ子供に許されると思う。
その時その時、全身全霊をかけて子供の為を思う。それが親だから。

category: 映画

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コメント

 

素敵に真っ直ぐなお父様ですね。

父と息子は対立したり、
日本文学でも以前は大きなテーマでした。
友達のような親子より昔の方が好ましく思うのですが、
年かな・・・
今はなんなのでしょうね?

父と娘もなかなか難しいものですよね。

蓮 #T1LxwB1c | URL | 2006/07/25 00:27 | edit

蓮さん、ありがとう

私も昔の厳しい父親の方がいいと思います。年のせいかなぁ。
時代が変わると違うのかもしれませんが、実際の世の中って厳しいですよね。それを教えてくれるのが父親だと思います。
だからいろいろうるさかった父には感謝しています。でも会うとやっぱり疎ましいのですけど。(笑)

ぐう #XjZxsWQw | URL | 2006/07/25 07:17 | edit

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