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ぐうの日常

香港映画俳優トニー・レオン梁朝偉を地味に応援する管理人ぐうの、日常のつぶやきです。  画像の無断転載は禁止です。

「風に吹かれて―キャメラマン李屏賓(リー・ピンビン)の肖像」観ました 

 

「風に吹かれて―キャメラマン李屏賓(リー・ピンビン)の肖像」
10月28日(木)東京国際映画祭にて観ました。

台湾人映画撮影監督リー・ピンビンのドキュメンタリー映画。制作は香港の映画監督、クァン・ブンリョン監督とチアン・シウチュン監督です。
ドキュメンタリーは台湾の街角でホウ・シャオシェン監督がカンヌ60周年記念の短編映画を撮影しているところから始まります。場所は台湾の古い映画館を改装して、ちょっと前の時代の映画館にしたところでした。ホウ・シャオシェン監督は、通りがかりのおばさんに「ホウ監督ですか?お会いできて嬉しいです、何の映画を撮ってるんですか?」と気さくに握手を求められています。映画の撮影をしているのはもちろんリー・ピンビンです。

私はこの映画を観るまで、映画の撮影監督とは、極端に言えば監督に言われたとおり、機械的に映像を撮る仕事をしている人だと思ってました。
ところが実は映画の場面での光源の設定(どのくらいの明るさで撮るか)はもとより、このシーンをどういう風に表現するか、という言わば監督の領域まで踏み込んだ仕事をしているのだと言う事を初めて知ったのです。(個々の撮影監督にもよるのだとは思うのですが)

例えば、「花様年華」のアンコールワットのシーン、私の大好きなシーンでもありますが、トニーがアンコールワットの石壁の穴に秘密をささやいているシーン、この場面で幼い僧が背後の高い位置からトニーを眺め、僧の後姿で場面が二つに分断されているシーンは、リー・ピンビンの提案だそうです。撮ったシーンをウォン・カーウァイ監督に見せ、監督からOKをもらったとのエピソードが映画のシーンとともに紹介されていました。

また「フラワーズ・オブ・シャンハイ」では当時の明かりはランプだけだったということでリアリズムにこだわるホウ・シャオシェン監督が「暗く、暗く」と光源を消していくところを、このままでは映画の絵にならないと、リー・ピンビンがこっそりまた光源を足していくという攻防もあったという話も新鮮でした。
(ホウ監督、「フラワーズ・オブ・シャンハイ」であれ以上暗くなったら、鑑賞する者はギブアップですからー。リー・ピンビン撮影監督の判断は正しかったと思います)
「フラワーズ・オブ・シャンハイ」ではメイキング映像もあり、トニーが怒りにまかせて卓上の調度品をぶちまけていくシーン、そしてその後スタッフが床に散らばった調度品の片付けをしている時、決まり悪そうに微笑んでいるトニーの姿、またそのシーンの映像チェックをしているときに後ろではにかんでいるトニーの表情も確認できました。

リー・ピンビンが撮影した映画のシーンとして登場したのは「花様年華」、「フラワーズ・オブ・シャンハイ」の他に「童年往事」、「ミレニアム・マンボ」、「恋々風塵」、「珈琲時光」、「ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン」「青いパパイヤの香り」、「言えない秘密」、「親密」、「メッセージ、そして愛が残る」、日本未公開ですが「見知らぬ女からの手紙」、「太陽照常昇記」、邦画では「空気人形」「春の雪」など。
リー・ピンビン監督についての映画監督のコメントではホウ・シャオシェン監督、ジャン・ウェン監督、是枝裕和監督などが出演していました。

「クリストファー・ドイルが船乗りなら、リー・ピンビンは軍人」と言われるように、映画の完成のためにただ黙々と任務をこなし、スタッフの給与が時給計算の香港での撮影の際には、トイレに行ってスタッフを待たしている時間も時給が発生すると、撮影の間は自分は一切トイレに行かないようにしたという徹底振り。
それならばさぞかし怖い人かと思えば、「聞いたことには何でも気さくに答えてくれる」と人柄に感心する若いスタッフの話があったり、木々にカメラを向けている時は、風に揺れる木の葉に「踊ってるの?もっと踊って、踊って」と話しかける優しい人なのです。

「世界が狭くなるにつれて、我が家は遠くなる」との本人の嘆きにあるように、アメリカにいる家族(なんと奥様はアメリカ人!と、二人の男の子がいます)と台北に住むお母さんのところには長期間帰れない日々を送る姿には、映画撮影監督という仕事の枠を超えて、仕事と家庭のあり方や生き方などの問題として、台湾上映時には多くの人の共感を得たそうです。

個人的に、東京国際映画祭で観た作品の中では一番良かったです。DVDが出たら是非とも買いたいです!
台湾ではDVD出てないのかな、と思ってyes○siaさんで検索したら、こういうのが出てるようです。

《乘着光影旅行》的故事
《乘着光影旅行》的故事
208ページ、とあるのでDVDではなくフォトブックのようですが、欲しい~。

category: 映画

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コメント

 

うーわー♪

めっちゃ見たい!!! やっぱり行けばよかった(汗)
レポートありがとうございます。
本もめちゃ欲しいです♪
ここにちょっと中身が出てますが、アーロンの写真のは「父子」かしら?
h↓
ttp://www.books.com.tw/exep/prod/lookinside.php?item=0010465344

「見知らぬ女からの手紙」もピンビンさんだったんですね。
知らない間にいっぱい見ているなぁ~(笑)
やっぱし、ノルウェイの森、行かねば(汗)

grace #5zcN.rTA | URL | 2010/11/07 07:51 | edit

おお!

グレちゃん、本の紹介のページありがとう!

>ここにちょっと中身が出てますが、アーロンの写真のは「父子」かしら?

そうだと思います。本の中の、空を見上げるリー・ピンビンとホウ・シャオシェン監督の表情が同じで、そういえば映画の中でも同じ後姿で歩いていたなあ、と思いました。
あ!そういえば「言えない秘密」もありました!
本文に追加しておきます。
一杯観てる作品があって嬉しかったです。

ぐう #ex3yOCrA | URL | 2010/11/07 12:10 | edit

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