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ぐうの日常

香港映画俳優トニー・レオン梁朝偉を地味に応援する管理人ぐうの、日常のつぶやきです。  画像の無断転載は禁止です。

「ブッダ・マウンテン」観ました 

 

「ブッダ・マウンテン」
東京国際映画祭にて10月26日(火)に観ました。
「ブッダ・マウンテン」ポスター

中国、四川が舞台。チェン・ボーリン、ファン・ビンビン、太っちょ君(←名前を知らないのですが、民間の劇団にいた人だそうです)の、家庭に恵まれない若者三人と、息子を一年前に自動車事故で失った元京劇役者シルビア・チャンの心のふれあいを描いた映画です。
重いお話でしたが、東京国際映画祭で観た映画の中では私はリー・ビンビンの「風に吹かれて」の次に良かったと思いました。

父親へ不信感を持っているチェン・ボーリン、暴力を振るう父親から逃れて四川の都会に出てきたファン・ビンビン、「父親がマージャンに負けると、腹いせに殴られる」と言う太っちょ君。昔の中国の家族団らんの風景はどこかに消え、そこには崩壊した家族の様子がありありと見え、家族を嫌悪し、また家族を嫌悪することしかできない自分にも嫌悪し、三人でどんなにはしゃいで遊んでいても、満たされないものを抱えているのでした。

またシルビア・チャンは息子の死の悲しみから立ち直れず、京劇の現場からは「過去の人物」と疎まれ、自分の居場所がない状態なのでした。げっそりとした表情から、最初シルビア・チャンとは気がつかなかったくらいです。

若者三人組が無謀な列車の無賃乗車により、偶然たどりついた観音山の中腹にある廟の観音様を、シルビア・チャン含め四人で修復することによりお互いの心の傷を癒やしていったのですが・・・。

少し郊外に移動すれば四川大地震の爪あとが街中にまざまざと残り、観音様も地震により大きく破壊されていました。(実はこの廟や観音様はセットで、実際にはないものだそうなのですが、映画の中では自然に存在していました)
映画では最後どうなったかいう部分は意図的にぼかされていましたが、私としては、シルビア・チャンがニコニコと三人の前に現われ、「びっくりした?」と言ってほしかったです。
生と死は隣り合わせで、例え望んでいなくても明日自分が事故や震災で命を落とすかもしれない、そんな世界でどう生きればいいのか、答えは見つからないまま、私もまた貨物列車の荷台で三人と一緒に揺れているのでした。

とにかくチェン・ボーリンはもちろん、ファン・ビンビンの演技が素晴らしかったです。これまでの綺麗な女優さんから一皮も二皮もむけた演技。ファン・ビンビンを観るだけでもこの映画を観る甲斐はあります。
ちなみに東京国際映画祭ではファン・ビンビンは主演女優賞を獲得したのですが、やはり、と納得できました。
そして一見笑わせ役の太っちょ君も良かった。彼という緩衝材がなければチェン・ボーリンとファン・ビンビンは傷つけ合ってしまっただろうなと思うのです。三人の中では、実は彼が一番精神的に強いのだと思います。

そしてシルビア・チャンは、年老いて息子を亡くした悲しみを、ハリネズミのようにとげとげしく他人に接することにより表現しており、年齢を重ねた分、俳優は表現できることが多々あるのだということを示してくれました。

category: 映画

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