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ぐうの日常

香港映画俳優トニー・レオン梁朝偉を地味に応援する管理人ぐうの、日常のつぶやきです。  画像の無断転載は禁止です。

「青の稲妻」「プラットホーム」観ました 

 

本日はジャ・ジャンクー特集上映@シネマート六本木にて、「青の稲妻」「プラットホーム」を観てきました。
ジャ・ジャンクー特集上映

「青の稲妻」も「プラットホーム」も青春映画なのですが、特に「青の稲妻」が物凄く良かったです!!
あまりに強烈すぎるほど良すぎて、その前に観た「プラットホーム」の内容が吹っ飛んで、思い出せなくなるくらい(笑)でした。
「プラットホーム」も良かったのですよ、しみじみする感じで・・。

「青の稲妻」
大同を舞台に生きる二人の青年。一人は北京に就職が決まった女子と交際中。工場の仕事をクビになり「何をやっても長続きしない」と母親に愛想を着かされる青年と、その友人の、ビールのキャンペーンガールに恋をする青年。
ビールのキャンペーンガールを、ジャ・ジャンクー作品でお馴染みのチャオ・タオが演じています。キャンペーンガールの愛人を演じている人は、どこかで見たと思ったら、「長江哀歌」では行方不明の夫を探す奥さんを手助けする中年のおじさん役を演じていた王宏偉。この人もジャ・ジャンクー映画の常連俳優さんのようで、「プラットホーム」にも出演していました。

地元の街は高速道路が開通するなど、どんどん近代化していくのですが、この主人公二人が今どきの若者という感じで、仕事も決まらず、ただ若さを持て余している様子はまるで中国版「欲望の翼」という雰囲気なのです。
もちろん気障な台詞で女性を口説いたり、などど格好良いことは全くできないのが中国の青年なのですが。


ジャ・ジャンクー映画のスクリーンから醸し出される湿度感、暑い季節にはむっとしてじんわりと滲み出てくる汗、寒い季節には雪が積もって足元のじめつく感じ。またコンクリートの壁からは黴の匂い、街のあちこちの取り壊し中の煉瓦の山からは埃臭い感じが漂い、決して「中国政府お墨付きの映画」では観られない街のチンピラや享楽に耽る人々の様子やその口から語られる本音などは、どんなに本や新聞を読んでも知られないような中国の今を伝えているのです。
そんなジャ・ジャンクー映画を観ていると、実はストーリィはどうでも良くなるのですが、この作品はストーリィもよく出来ていて、最初は冴えなく見えた二人の青年の動向を追っていくうちに「これは物凄い傑作では・・・」と思い始めてきたのでした。

ストーリィは最後、二人の無軌道な行動により唐突に終わりますが、その終わり方もまさに中国版「欲望の翼」というような感じでした。ここまでアホとは思わなかった!と呆れつつも愛することと罵倒することを止められない二人の青年のお母さんになった気持ちでした。(二人のうちの一人は母親のみ、もう一人は父親しかいませんが)

ストーリィところどころに出てくるユーモア溢れるシーンも良かったです。青年の一人がチンピラに借金をしてしまったために海賊版DVDを売るバイト(1枚売れたら2元の収入)をしているのですが、買いに来た人(もしかして監督自身?)が「『一瞬の夢』はないの?『プラットホーム』は?それで若者相手に商売になるの?」などと自分の作品名を挙げたりしてました。
米ドル札が1枚家にあるのを見つけた青年が「こんなお宝が!1500元にはなるよ」と言っていたのを、こっそり彼のお父さんが持ち出して銀行で両替しようとしているのですが、「ここでは両替できません。中国銀行でないと」と銀行の窓口で言われ、「ここは中国の銀行じゃないの?」とビックリし、銀行員に「ここは中国工商銀行です」と言われていたのでした。
(中国語教室の先生の、「昔は中国銀行しかなかったが、今は規制緩和で沢山銀行が出来た。中国工商銀行とか中国農業銀行とか」との話を思い出しました)そんな急激な社会の変化について行けない愛らしい人を描くのが、本当にこの監督は上手いのです。
米ドル札を巡る攻防は映画の中でも数回出てくるのですが、後でお札が大きめに映ったときには、そのドル札が「たったの1ドル札」であることがわかり、観客をニヤリとさせる場面でもありました。

「青の稲妻」、原題は「任逍遥」。監督曰くリッチー・レンの歌「任逍遥」にインスパイヤされて作ったというこの映画、主題歌も「任逍遥」で、映画の中でも数回登場人物が歌うシーンが出てきます。
「長江哀歌」では映画「男たちの挽歌」のチョウ・ユンファに憧れる街のチンピラが出てきたりと、たぶん監督自身が好きなのでしょうが、上手くその時々の風俗を取り入れているのも面白いところです。

思いがけず傑作を観ることができて、今日は誕生日だったのですが、自分へのプレゼントとなりました。
「プラットホーム」の感想はパスさせていただきます(笑)。

『ジャ・ジャンクー「映画」「時代」「中国」を語る』
ジャ・ジャンクー「映画」「時代」「中国」を語る

賈 樟柯 (ジャ・ジャンクー) (著)、 丸川 哲史 (翻訳)
発売中だそうです。読みたいです・・・。

今日映画を観て、「ジャ・ジャンクー監督の映画って中国版ホウ・シャオシェンのようだよね・・(時代の人々を描いているという点で)」と思いながら帰宅したのですが、この本ではホウ・シャオシェン、ツァイ・ミンリャンとの対談も載ってるそうです。

<今日の情報>
FREEMANさんのブログ「電影宣伝自由人」によると、香港映画「殺人犯」、「神槍手」を日本の会社が買ったのだそうです。DVDスルーなのか、公開されるのか(公開されるとしても特集上映かな?)はわかりませんが、スクリーンで観られることを祈ってます。

そうそう、拍手コメントで「広東語学習でお薦めの教材」をお尋ねいただいたのですが、私は普通語学習しかしていない(普通語の方も、教室用の教材のみで、特に独自に教材を買ったりはしていない・・・)のでわかりません・・すみません・・。

category: 映画

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コメント

 

ジャ・ジャンクー特集

Juliaは、今日観に行きました。
ジャ・ジャンクー作品、1日に3本は、気力・体力が必要でしたわ。
『青い稲妻』観たくなりましたわ。

Julia #CLVHxZeU | URL | 2009/12/14 00:09 | edit

ジュリアさん、お久しぶりです!

ええー今日三本ご覧になったのですか!
ジャ・ジャンクーで三本はきついです。二本でも結構きつかったです。
(ということは「一瞬の夢」「四川のうた」「プラットホーム」の三本ですね)

「青の稲妻」、お薦めですよ♪

私は未見の「一瞬の夢」「世界」をどうしようか考えてます・・。年末で掃除とかしないといけないし(汗)。「世界」はBSで放送があるから、テレビでとりあえず観ようかなあ。

ぐう #ex3yOCrA | URL | 2009/12/14 00:33 | edit

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