FC2ブログ

ぐうの日常

香港映画俳優トニー・レオン梁朝偉を地味に応援する管理人ぐうの、日常のつぶやきです。  画像の無断転載は禁止です。

「春風沈酔の夜」「北京陳情村の人々」観ました 

 

東京フィルメックス11月28日(土)、「春風沈酔の夜」「北京陳情村の人々」を観てきました。

「春風沈酔の夜」のロウ・イエ監督。
ロウ・イエ監督
「春風沈酔の夜」
うわー・・・凄く良かった・・・。
「パープル・バタフライ」は、チャン・ツィイーが苦手で今イチ感情移入できなかったし、「天安門、恋人たち」は予告編が暗い印象で観にいかなかったので、ロウ・イエ監督って私的にはノーマーク(笑)だったのですが、この映画は観終わった後、感情が激しく揺さぶられた状態でしばらく興奮が止まなかったです。
映画の冒頭、「ブエノスアイレス」にも似た、もしくはそれよりも激しい男性同士のベッドシーンと、激しい雨にたたきつけられる蓮の花、春風に揺さぶられる淡い緑の木々の映像に、はやくも映画にのめりこんでしまいました。
映画の登場人物は、夫の浮気を疑う妻、その夫、夫の愛人(男性)、妻に頼まれて浮気調査(尾行)をしている探偵もどきの男性、探偵もどきの男性の恋人(女性)の5人を主に進んでいき、当初は群像劇かと思えたのですが、途中から夫の愛人男性(ジャックという名前だったような)が主人公として物語が終わるような形となっています。
夫が男性と浮気しているのを知り、夫とその愛人をなじる妻、探偵もどきの男性は夫の愛人を尾行するに連れ彼に惹かれていき、愛人ジャックが夫と別れた後、関係を持つようになるという展開です。

ジャック役の男性がかなり美男子、チャン・チェンに似ています。探偵もどきの男性は柔らかな面差しで雰囲気が「インファナル・アフェア」のヤンに似てるように感じます。(←たぶんこう思うのは私だけで他の人は「似てない!!」と言うと思いますが)

まるで文芸作品のように品があり、またジャックの人生のお話を一部を切り取って見せたかのように、みずみずしい雰囲気に満ちたラブストーリィです。春の暖かく激しい風に揺さぶられ、寝付けない夜。抑えきれない感情、誰かを強く激しく愛した記憶(そんな記憶がなかったとしても)、観る人にそんな思いを強く想起させる映画です。

お話を細かくつっこめば、夫が○○に至るまでの絶望とか、探偵はジャックに自分の身分を明かしていない(奥さんに頼まれて二人の浮気の調査をしていたことがあの結果に繋がったと思うのですが・・)という都合良さとか、探偵の恋人が、勤めている工場の倒産にあそこまで激怒した理由とかの説明が不足しているとは思うのですが、人間のずるさや感情の不可解さも、ある意味この映画の味となっている感じもします。

監督自ら「同志電影」(ゲイ映画)と言ってましたが、この映画がゲイ映画の傑作の一つに並ぶことは間違いないでしょう。二度三度と繰り返し観たくなる映画です。
監督曰く「上海よりも商業的ではなく、北京よりも政治的ではない、その中間」の南京という都市を舞台にしたというのも、ゲイに偏見はまだまだあるだろうけども、自由な都会の雰囲気を感じられる街ならではのお話だと思いました。

それにしても「天安門、恋人たち」であまりに激しい性描写のため中国政府より5年間の撮影禁止を言い渡されたロウ・イエ監督なのですが、その後にこんなに堂々とこういう映画を、しかも南京で撮って大丈夫なのでしょうか、という質問に、「映画を撮ってこそ、映画監督」という答えには感心しました。
なかなか新作を撮らずに、古いフィルムを継ぎはぎしている某監督に聞かせてあげたい(笑)です。


「北京陳情村の人々」
ドキュメンタリー映画。自分の夫が病院での健康診断中、急に変死したのに理由がうやむやにされた、数人に暴行され障害が残ったのに、誰も処罰されないなど、中国の地方政府では訴えを受理されず裁判でも相手側は無罪、など納得を得る結果が出なかった人々が中央政府に直接訴えを、と北京に上京するも、訴えは受理されずと何年も北京にとどまる人々が集まって自然にできた村を長期間取材して完成した映画です。
もちろん北京に暮らすにも住むところもなくお金もないので、食料は市場に落ちていた菜っ葉を拾って茹でて食べたり、住まいも橋の下やビニールシートを屋根にしたバラック、ホームレス状態です。
そんな状態の上、地方政府から陳情を阻止しようとしてきた役人にさらわれて、連れ戻されたり、精神病院に無理やり入院させられたり。大体想像はついていましたが、中国の繁栄の裏側の闇の部分を見せつけられました。
一番気の毒なのは、これだけ必死になって人生をかけても正義が通らないこともそうだけど、戦っている人一人ひとりが孤独で、団結する知恵も力もないことです。
もし現代の中国に孫文のような革命家がいたら?彼らのような訴えを纏めてすくいあげる英雄が登場したら?と思います。
もしかしたら、暴れる水の前の堤は崩壊寸前、なのかもしれません。


ロウ・イエ監督の目ウロコトークイベント!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2009/11/post-7e1e.html


<今日の情報>
「不能沒有イ尓」大勝利!第46回台湾金馬奨
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2009/11/post-cdc2.html
「ザ・ホスピタル」のセクシー医学部部長、レオン・ダイ監督、おめでとう!
「証人」のニック・チョンおめでとう!
日本公開に弾みがつきますよう・・・。

category: 映画

tb: 0   cm: 4

△top

コメント

 

似てますよね!

私もチャン・チェンににてると思いました~。
ヤン、それも何となくわかりますよ。
狩人の片方にも似てます。

あ、そういう話ではなくて(笑)、
春風沈酔の夜、
良かったですね~。

引用されている一節の言葉が美しくて、
それも確かめに、
もう1度観てみたいです。

tomozo #ncVW9ZjY | URL | 2009/11/29 22:14 | edit

tomozoさん、ありがとうございます!

私のおっかなビックリ、ビクビクの発言に賛同していただいてお優しいですね、ありがとうございます。

>狩人の片方にも似てます。

そういえば(爆)。
どういった経緯であの二人の俳優さんが選ばれたのか聞いてみたかったですね。


>引用されている一節の言葉が美しくて、
それも確かめに、
もう1度観てみたいです。

そうなんです!あの美しい一節の言葉も映画に更なる魅力を与えていました。作者名忘れましたが、引用していた小説全体を読んでみたくなりますね。

ぐう #ex3yOCrA | URL | 2009/11/29 23:37 | edit

琴線に・・・

こんにちは初めてお便りします。私は26日に見ました。 
雨にたたられ揺れながら浮かぶ蓮の花が官能的でもありはかなげでもあり、郁達夫の“浮世を好きで浮いているのではない”の一文へとつながっていたような気がしました。この一文には琴線に触れてしまったようで、いまだに心のなかでこだましてます。 
この世に永遠なんてものはなく常に流動していて終わっていく。諦念の表情で悟ったジャン、どこまで墜ちていくのでしょうか。
映像のなかで何度も現れた「春風沈酔的晩上}の一節、きちんと読めなくてどうしても日本語字幕に頼っていました。じっくり辞書を引き引き読んでみたかったです。私も小説を読んでみたいです。

blueash #- | URL | 2009/11/30 00:46 | edit

blueash さん、ありがとうございます

初めまして、 blueash さん。

>郁達夫の“浮世を好きで浮いているのではない”の一文へとつながっていたような気がしました。この一文には琴線に触れてしまったようで、いまだに心のなかでこだましてます。

そうそうこの一文!これにはジャン(ジャックじゃなくてジャンだったのですね。名前がうろ覚えで・・)の姿と重なってしびれました。この文は郁達夫という方のものだったのですね。アマゾンで検索してみたら「郁達夫研究」という本もあるようで・・やはり中国文学と繋がりのある方のようです。

小説の題名「春風沈酔的晩上」ではなく「春風沈酔的晩夜」だったような気がします。確認のため、もう一度映画を観てみたいです。
小説、読んでみたいですね。
映画を観て、そこから派生して小説を読んでみたいとかいろいろ思ってしまったのは自分としては珍しいです。
 
何か揺り動かされる映画ですね・・。

ぐう #ex3yOCrA | URL | 2009/12/01 01:27 | edit

△top

コメントの投稿

 

Secret

△top

トラックバック

 

トラックバックURL
→http://guunonichijyou.blog22.fc2.com/tb.php/1200-1d6320d7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

△top