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ぐうの日常

香港映画俳優トニー・レオン梁朝偉を地味に応援する管理人ぐうの、日常のつぶやきです。  画像の無断転載は禁止です。

「心の魔」観ました 

 

東京国際映画祭 マレーシア映画 「心の魔」

暗い夜の画面、バシャバシャッと靴か何かが水面に投げ込まれるシーンから始まり、「あれ、これってホラー映画だったのかな」と一瞬ヒヤッとした。
16歳の女子高校生と23歳のスーパーマーケットで働く青年が付き合っているが、女子高生が女友達からもらったピルを、うっかり親に見つけられ二人の交際がばれる。

「16歳の娘と関係を持った」ということは、合意の如何に関わらず、マレーシアの法律だと犯罪に当たり刑務所行きとなるらしい。(日本の法律ではどうだったかな。でも日本だったら16歳女子は親の同意があれば結婚できましたね)
娘の親は「慰謝料を払わなければ訴える」といい、青年は母子家庭なので大金の準備は困難だったが、なんとかお金を払う。しかし、娘の反抗的な態度が変わらないのはあの青年のせいだと、お金を受け取ったにもかかわらず、「やはり訴える」と相手の親が通告してくる。
その結果、最悪の事態が起こる。


青年の母親は、夫に自分の妹と駆け落ちをされ、一人で息子を育てている気の強い女性。息子の髪の毛を切ったりしている時は、どこか恋人同士のようなねっとりした空気が流れ、息子の方も、母親が知らない男性と飲んでいると「あいつは何なんだ」と干渉してくる。
16歳の女子高生の親は、裕福なものの、娘を成績でしか判断しない。何かというと海外留学している兄と比べ、娘に何かあったらすぐ学校に苦情を言い、娘をいじめた生徒を処罰しようとする。

両方の家とも、家という形はとっていても家庭の機能を果たしていない。
だから二人が交際しているのがわかったときも「二人がどんな気持ちでつきあっているのか」とか「娘は寂しかったのは自分たちのせいではないのか」というような事を一切考えず、すぐ「賠償を」となる。
だからと言って二人の若者が一方的に被害者かと言えば、娘は洋服を万引きしているし、青年の方も、特に娘を愛している、というような深い感情はない。
どこかふわふわとしていて、お互いに必要としている訳ではないのだが、今の時間の空白を埋めるために一緒にいるだけのような感じなのだ。
そして、一度何かに失敗すれば、過ちをやり直す機会は一切なく、突然奈落に突き落とされる将来に希望のない世界。そういう世界に生きているから心を失ったのか、それとも心を失ったからそういう世界に生きているのか。

人間関係の希薄はマレーシアだけに限ったことではないだけに、この事件(実際に起こった事件を下敷きにしているそうだ)は日本でいつ起こってもおかしくないし、実際に起きているだろう。

映画の最後の方、バイクで転倒した青年が足を引きずりながら、公衆電話から家に電話しようとするが、誰も出ない。母親は警察に呼び出されていて不在だからだ。
警察にいる母親は、「貴方の息子から電話があったよ」と刑事に告げられ、泣き出す。
しかし、その電話のシーンは青年の周りに白い光が立ちこめ、どこか現実でない夢の世界のようだ。
その後、路上でバイクで転倒したままの青年の姿が映し出される。電話をしたのは青年の夢だったのか。それとも今死にゆく世界の方が幻だったのか。


青年の母親役は「インファナル・アフェア2」に出演していたクララ・ワイ。監督が今回の母親役のイメージにぴったりとのことで出演依頼したそうだ。ハウ家の書斎にいたハウのお姉さん役を演じた人かな?
主演の女子高生はどう見ても女子高生だったが、「現実よりも10歳も若い役」を演じる(ということは今26歳?)、とのことでかなりプレッシャーだったと言うジェーン・メイホイ。
主演の青年は香港アイドルユニットShineのメンバーのチョイ・ティンヤウ。パトリック・タムの「父子」にも出演。眉毛が太く、何か言いたげな瞳をしている。

category: 映画

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